2010年第五回研究会のお知らせ

 サイエンススタディーズ研究会第五回目は、ICU国際基督教大学の山口富子さんをお招きして、「科学的判断と社会的判断−GMO論争の分析を通じて」というタイトルでお話をうかがいます。
 科学的知見が物事の判断の根拠に成り得ないような状況下では、何を根拠に物事の判断が成されるのでしょうか?その判断は、専門家と呼ばれる集団が持つ権力のみに由来するのか、市民的な価値観またその他の価値観は、本当に影響力を持たないのか?社会的な判断を導くとされる社会秩序(社会の価値観を律する規則)とは、いったい何であろうか?
というのが、山口さんの発表の基本的な問いです。
 今回の発表では、GMO論争の勃興と終焉の過程を追いながら、何を根拠にGMOの良し悪しが議論されてきたのか、その時の社会秩序はどのような状態であったかを示すことが目標とされます。「正当化のレジーム」「コンベンション」「調整モデル」「妥協の装置」「価値」といった概念を使い、日本のGMO論争を分析し、日本の社会秩序の変動について語っていただきます。

 予定は2010年3月5日(金)16:30〜、東大駒場14号館4階407号室です。