2009年第四回研究会の報告〜高等教育投資に関する日米比較

第四回研究会は両角亜希子さんに、日米の高等教育投資データが持つ根拠、算出基準、信頼性といった点について発表をいただきました。結論としては、制度的に日米は大きく異なるために、その細部の部分での定義づけには色々と問題がある一方、全体的なデータとが色々な政策論争に利用されるあり方について、議論がなされました。

 特にさまざまなレベルで非常に異なる制度的性質を持つ日米の大学制度のかなり基礎的な部分が、参加者の多くにとって予想以上であったということもあり、そうした基本的な理解についての議論に多くの時間がなされました。

 教育や科学政策において、日米という枠組みで単純に対比する議論が横行する中(たとえば審議会レベルですら、そうした対比がよくなされる)それだけ根本的に異なる制度は果たして比較対照できるのか、そうした基本的な点でも考えさせられる部分が多い内容でした。