2009年第四回研究会のお知らせ

サイエンス・スタディーズ研究会第4回目は、科学技術政策関連の話題をとりあげます。
今回は、東京大学大学院教育学研究科で、大学経営の研究をされている両角亜希子専任講師に、「高等教育投資に関する日米比較」というタイトルで発表していただきます。
 近年、国立大学の法人化や高等教育のユニバーサル化、財政緊縮の中で、高等教育にかかる費用をどのように負担すべきかが大きな政策的課題になっています。日本では家計負担の割合が極めて大きく、高等教育への投資の充実を求める声もあります。
こうした主張の根拠としてしばしば引用されるがOECD の高等教育費の対GDP 比ですが、しかしこの指標がどのように算出されているのか、つまり各国でどのような算出根拠のもと提出されており、当のOECDはそれをどう調整しているかは、実はよくわかっていません。したがって、このような中身のはっきりしない指標を頼りにした国際比較では、厳密な分析ができないばかりか、公財政支出の拡大を訴えるという議論も説得力をもつとはいえないでしょう。
そこで第4回の研究会では、高等教育のファンディング・システムの日米比較を実施された両角氏から、さまざまな統計データのどこに注目し、どう整理すべきかという基礎的な枠組み作りと政策的示唆について報告してもらう予定です。

 予定は2009年11月6日(金)16:30〜、東大駒場14号館4階407号室です。