2014年第19回研究会報告 SSU STAP細胞問題討論会

サイエンススタディーズ研究会第19回は、SSUの主要メンバ数名を中心に、現在紛糾しているいわゆるSTAP細胞にかかわる一連の騒動について、その社会、制度的背景を、(発表者の希望により)、クローズドの形式で討論を行いました。その内容は、背景となる理研の組織的な構造変化、理研における広報の歴史的変化、さらに現在の科学政策における不正防止問題の推移といった論点です。

議論は予定時間を越えて、活発な内容になりましたが、その中で特筆すべきは、この問題の始まりからのメディアの報道のあり方、不正と過失のあいまいな境界、メディアに登場するSTS学者やいわゆるガバナンス学者といったコメンテータの功罪、さらにはこうしたメディアを騒がす事件が起こった際の政策上の反応や、規制強化という解法への疑問と、多岐にわたり、通常の議論とは異なる、より反省的な議論が展開できたと感じられました。