2012年第12回研究会の報告(科学としての当事者学)

第12回研究会は、熊谷さんの最新の研究成果を待ち望む様々な参加者に恵まれ、多くの活発な意見交換がなされました。熊谷さんには発表を特にアスペルガー症候群のケースに限ってもらい、具体的な感覚の問題から、さらに科学的方法としての「当事者学」の可能性(およびその問題点)にも自由に論じて頂きました。熊谷さんの理論的かつユーモアあふれる発表には、多くの聴衆も魅了されていました。

従来の「心の理論」とそれ以降のロンドン学派への鋭い批判を展開される一方で、実はここで議論されたデータが、心の理論の枠組みと矛盾しないのではないか、といった反論もなされ、白熱した討議がなされました。

また会の終了後には、教室が和やかな交流会になり、当事者の方々、研究者、出版社の人など、色々な輪の中で有意義な意見交換が出来たようです。今後の展開が楽しみです。