2011年第11回研究会の報告(ビジネス・エスノグラフィ―イノベーションのための質的研究)

第11回研究会の田村さんの報告は、エスノグラフィックな研究とイノベーションの結びつけ方について、消費者の行動や、世界各地でのデータ収集の事例等、具体的で多様なケースと、それらを理論的なモデルに纏め上げていく、認知心理学的な手法が一体化しており、大変興味深いものでした。高梨さんのコメントは、こうした手法の可能性と問題点を同時に指摘する鋭いもので、全体の討議は非常に盛り上がりました。

今回は出席者も、STS関係のみならず、デザインの専門家や科学コミュニケーション、経営学といった多くの分野の方々に参加していただき、この分野への熱い関心の度合いが目に見るようにわかりました。多くの方々が忘年会のタイ料理店にも合流して、辛いヤムウンセンに舌鼓をうちつつ、激動の2011年を振り返りました。