2011年第九回研究会の報告−現場から見た原子力問題

 第九回研究会は、原子力問題に関係した施設の専門家をお招きして、原子力発電および原子力行政の現場に詳しい専門家の視点から、現状を解析してもらいました。今回は発表者の意向もあり、公開の通知は行わず、SSU研究会関係者のみでクローズドの会合を行いました(2011年7月8日)。
 現在原発問題については、特に反原発論的な空気の中で、極端な風説が飛び交っています。特に原子力発電の現場に近い専門家その他から見た、今回の問題についての冷静な分析はかなりかけているというのが現状です。今回は、現場に詳しい専門家の目から、今回の問題の重要な点は何かを指摘してもらいました。特に話題提供者が強調したのは、現在の行政機構、特に市町村、県、そして国のレベルの驚くべき対立と意思疎通の欠如ぶりであり、それは今後どうやって修復されうるのか、かなり深刻な問題を含んでいます。
 それに関係して、科学的な知見の蓄積の不十分な、被爆量と医療の関係についても、様々な学者が自説を売り込むために暗闘を繰り返しているような点も指摘されました。
 その他多くの興味深い問題が指摘されましたが、これらがより冷静に討論されるにはまだかなり時間がかかりそうです。